初めてでもできた!アイディア0をスマホアプリ企画にするまでのフロー
「新しいサービスを世の中に出したい」というのは、Web業界の人が業界に入ってから死ぬまでに一人4,000回くらい考える事の1つかと思います。
私もそう思っていた所、新規サービスの企画が得意な上司から一連のフローを学べましたので、振り返りも含めて言語化したいと思います(`・ω・´)ゞ
もちろん他にもいろいろなやり方があると思いますが、やり方の1つとして、「企画したいけどアイディアはどういう風に思いつくのか」「どのように詰めていくのかわからない・・・」という方に少しでも参考になれば嬉しいです!
まずは毎日準備運動をしよう
1.世の中のサービスをとにかく見る
アイディアは思いつきではない!
という言葉は聞いたことがあるかもしれません。アイディアは既存のものの組み合わせなので、それを上手く組み合わせられるような準備運動が必要です。
- 新しいサービスをキャッチする
- 世の中にあるサービスのニーズと価値を考える癖をつける
新しいサービスやすでに出ているサービスについて、このサービスは誰にとってどんな価値があるのかな、この価値が届いていないのはどのあたりの人かな?それはなぜかな?をたくさん考えます。
2.世の中のすべてのものに対しての「なぜ?」を癖付ける
- 駅を歩いていると平日夜のみどりの窓口に大行列…「なんでだ?あ、今日から1か月後の年末休みの新幹線発売開始だ〜」
- 高速バスに乗るときに紙のチケットを帰りに集めますって言われた。「なんで最初にあつめないの?後からのがいい理由ってなに?」
- このレジは右側に人を並ばせてるけどどうして?
という風に、Webサービスだけに限らず、少しでも違和感や分からないな~と感じたものには「なんでだ?」と思うようにします。最終的に正しい意味や価値までわからなくても自分なりに理由を考えたり、じゃあこうすればもっとよくなるのにということまで考えられるようになることが大事!
3.1、2を考える時間をルーチンにする
1.2のようなことってどこかで見たことがあったり、言われたことあるような気もするけど毎日ずっと続けるのはなかなか難しいです。私も最初は「あ、考えなきゃ!」「あ、後でいいや」などを繰り返して毎日考えるのに苦労しました。そこでもらったアドバイスが、決まったアクションとひもづけるというのものです。
例えば
- お風呂につかる=サービスのことを考える時間
- 朝電車にのる=スマホのメモ帳を開いてアイディアを出す
など。
いつもはなんとなく電車の中でスヌーピーパズルをしていましたが、それからは必ず電車に乗ったらスマホのメモ帳を開くようにしました。
ここでのコツは「電車に乗ったら考える」ではないこと。乗ったら考えて、思いついたらメモ帳を開く、だといつの間にか週末の予定や目の前のおじさんの一挙一動に意識がいってしまうので、とにかくまず思いついても思いつかなくてもいいからメモ帳を開くのがよかったです。言葉を打って目で見るのも私には効果的でした。
アイディアを地下3000m掘って価値をつける
5W1H
私が、毎日のメモ帳ワークの甲斐あって?!井の頭線神泉駅で思いついたアイディアは「もっと人を許せるようになるサービス」でした。
社会にいれば必ず誰かにイラついたり、ひどいことをされて怒る瞬間などがあります。でももう、いちいち人に怒るのは疲れる!怒るよりも許せる力が強くなれば幸せなんじゃないか?そう思って考えました。最初に思いついた体験は「毎日許せないエピソードが届くのでそれを読んでとにかく「許す」ボタンを押すだけ」というものでした。既成事実を作っていって訓練していくイメージです。
このアイディアを上司に共有すると、いいねとは言ってくれましたが、なんでそれなの?何ができるの?誰のため?いつ?どこで?と質問攻めにあいました。いわゆる5W1Hです。
When、Who、Where、What、Why、How
ということで、いつ誰がどこでなにをなぜどうやって使うのか?を考えていきます!特に「なぜ」については「このサービスをつかうと●●になれるから」という書き方になるよう注意して考えました。
このサービスのゴールはなんだっけ?
考えるプロセスの一環としてこんなことも考えました。
- 本当にしたいことはなんだ?
- このサービスを使って「達成してほしいライン」に立っている状態ってどんな状態?
- 何を実現するサービスで何をしていればゴール?
私の場合は 「このアプリは笑顔で話せる人を増やすサービスで、最終的にこのアプリを使わなくても笑顔で人と話せている状態がゴールである」と決めました。
さらにアプリの利用前後のユーザーさんの心情やアクションを4コマにしたら整理しやすかったです。
1. まだ使ってないころ
2. 使い出したころ
3. たくさん使っているころ
4. もう使ってないころ
当時電車の中で書いたすごい下手な4コマ↓↓
また、ゴールの状態から「それってどういう状態?」を考え、出たものをまた「それってどういう状態?」と3回繰り返しサービスの価値を固めていきました。
その時のメモ↓↓
体験のプロトタイプをつくろう
サービスの価値ができたらそれを実際に形にしていきます。まず「体験のプロトタイプ」を作りました。プロトタイプというと「ペーパープロトタイピング」を思い浮かべたりしましましたか?私もそうでした!が、今回はペーパープロトの前にコアの体験のプロトタイプを作りました。
アイディアがでた頃から少しサービスイメージは変わってコアの体験は以下のように考えていました。
1. 許せなかったことを書く(または言う)
2. 「ゆるす」で許した事実をつくる
体験が実現できれば、何を使ってどんな風に再現してもOKです。
slackで「許すBot」
エンジニアではないので、ありものでとにかく体験を…!と思った私はslackに「これから許します」「許せた」という2つのワードに反応するBotを設定しました。
1. forgiveと名づけたChannelで許したい内容と「これから許します」と発言
2. 許すBotがYoutubeのリンクを投稿(内容はクイズ番組で使うようなカウントダウンの音楽と正解のBGMのあとに盛大な歓声)
3. それを聞きながら「許すぞ許すぞ」とかんがえる
4. 音楽が終わったら「許せた」と発言する
5. 許すBotがめちゃくちゃファンシーなくまたちの「おめでとう!」画像を投稿
というものです!何じゃそりゃ!と思うかもしれませんがプロトタイプとしては十分で実際に1週間くらい使ってみました。
すると頭や紙の上だけで考えていた頃には思いもしなかった課題を見つけることが出来ました。
例えば、以下のようなことです。
- 実際には「許したいこと」は書かない(「許せなくてムカつくこと、今の感情」を書きたくなる!)
- 結局自分との戦いで「修行感」「自分との戦い感」が強すぎてくじける!(誰かにこのがんばりをわかってほしいと思う!)
- 許したいと思う対象が、会社の仲間や家族などが多いな~(許したい=もっとその人との関係を強めたい人!なのかも?!)
紙に書いているだけでは気づけなかったであろうこの気付きを仕掛や仕様に落として、ペーパープロトに仕上げていきました。
体験のプロトタイプは、体験が再現できるものであれば既存アプリでの代用や音声レコーダーをつかうなどなどそのサービスに合わせてなんでも良いかと思います。
また、仲間や友達に使ってみてもらうとなおよしです。
あとはUIや細かな仕様、何度も使う仕掛けを入れて形にしていき、設計は終わりです。私は現在は、ペーパープロトタイプの状態でProttに落とし込み、ブラッシュアップしながら一緒に作ってくれる人を探している状態です。
このフローを体験した気付き
もっと短い時間で!
「どんなサービスにしよう?」から体験のプロトタイプのブラッシュアップまで約1ヶ月半もかかりました。就業後や通勤中などの合間の時間でやっていたこと、はじめてだったこともありますが、これをもっともっと短い時間でできるようになるといいよと上司から言われました。
また、今回は「自分にとって価値のあるサービス」を考えたのでユーザーが自分であり、シーンのイメージやプロトタイプが作りやすかったです。次は、対象ユーザーが私ではないもの(子供やお年寄りやJKや)を想定して考えて、もっとスピードアップもしていきます!
「わかってないな〜」と言えるまでまで考え抜くと強い!
そして1ヶ月半もひとつのサービスの価値や体験について何度も考えていると、内容はどうであれかなり自分が「価値があると感じている」サービスの形に近づき「絶対これ面白いんだって!」と人に胸をはって説明できるようになりました。
実際に誰かに力説すると「お、おう…頑張れや。」という反応だったり、これを今読んでいるみなさんも「なんだこれ?」「こんなのおもしろいか?プークス!俺のほうがもっといいもの思いつく」と思われているかと思います。もちろんそういうこともあるかと思いますが、そのような中でも自分がユーザーさんに届けれられると信じている価値が確立していると何を言われてもめげずに、極端な話「わかってないな〜」とまで思えることに気づきました。
会社で出すサービスではそもそものニーズや何を作るかの指定がある場合が多いかもしれませんが、個人のサービスではなにもかも自由なので、ここが一番大事だと教わりました。
最後まで作らなきゃ考えてないのと一緒!
そして最後にやっぱりこれ!作らなきゃ価値0!私もまだ開発できていませんので、現状(未来の)ユーザーさんにとっては、私がベビースターラーメンを食べているのも企画を練っているのも同じです。
別の上司にも言われましたがやり遂げてこそサービス!とにかく作りきることが大事!口だけにならないように、頑張ります( ゚∀゚)ノ