クリームソーダ浴びたい

インターネットに恩返し

10歳のとき、京都旅行の帰り、安野モヨコ先生

この記事はアルの「アルベントカレンダー」2日目です。マンガのコマを使ってブログを書きます。

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京都駅の本屋さんで

家族旅行のときに、新幹線や空港の本屋さんで好きな本を1つ買ってもらって乗り物に乗るのがお決まりだった。 それはディズニーの雑誌のときもあったし、マンガのときも、なぞなぞの本のときもあった。

小学校5年生の時、家族で京都へ行った帰り。いつものように京都駅の本屋さんに立ち寄り移動用の本を選んだ。

見たことのない絵。かわいい色合いとお花。おしゃれな服装ではにかむ女の子。りぼんのマンガよりちょっとサイズが大きくて大人っぽい。そうして惹かれて手に取ったのがジェリービーンズの1巻だった。はじめての安野モヨコ先生。

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(当時はこの↑書影とは違うデザインだった)

矢沢あい先生のご近所物語をりぼんで読み耽り、洋服を作る人はかっこいい!おしゃれになりたい!とファッションに夢中になっていた私の小学校高学年編がジェリービーンズだった。

田舎の女子中学生が、東京に憧れて、洋服を作る楽しさに出会い、かっこいい先輩に会うためにがんばりながら、同級生とも恋をする。

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まっすぐ前をみて全力疾走するマメは、憧れの中学生だった。 かわいこぶるところ、打算的な様子を見せるところ、つっぱしって周りが見えなくなるところ、自分にできないことが詰まっていた。

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その後私もリメイクに挑戦した。 姉のおさがりのオーバーオールの足のところを切り、開いて、ジャンバースカートにした。 リメイクが大ブームだった時代で、マメが初めてスカートをリメイクしたあの感じを味わってみたかった。

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裁縫が得意なお母さんにミシンを教わりながら作ったちょっとぐちゃっとしたスカートを履いて、塾へ行った。(塾くらいしか行くところがない)(そしてデニムは固いと痛感した)

マメみたいに、前髪にたくさんピンをつけて、一生懸命くしで逆毛をつくっていた。

そのあと安野モヨコ先生の作品をもっと読みたい!と調べ、過去作品を集め出す。

シゲタの衝撃

ハッピーマニアがどうしても欲しかったけど一冊900円くらいで当時9巻くらいまで出ており、つまり8100円。まったく手が届かなかった。

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時を見計らっていると、おばが誕生日プレゼントをなんでも買ってくれると言うのでまとめて9巻まで買ってもらった思い出がある。サイズが大きいマンガの背中はかっこいい。

さて大きな紙、分厚い紙、めくってみるとこれはすごい。

ど田舎の中学生には刺激が強い。ダメなOL。しっかり働かない、すぐ男の人とセックスする、恋愛していないと辛いのに愛してくれる人からは逃げ続ける。そういう女性は周りにはいないし、もちろん、りぼんには出てこなかった。

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姉に貸してと言われるとエッチなので気まずかった。友達に貸してすごくおもしろい!と言われると得意げになっていた。 東京にいる大人って、シゲタみたいな人かフクちゃんみたいな人なんだなと思っていた(違った)

そこから、ジェリー イン ザ メリィゴーラウンドカメレオンアーミーラブ・マスターXなどを順調に買い集めた。パトロール・QTやベイビーGももちろん。

今年の秋に実家に帰省したときに、久々にカメレオンアーミーを読み返した。中学生のときはなんとも思ってなかったコマが一番今共感する。

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人生初のまんだらけ

中3の時、初めて東京に遊びに行った際には母に「まんだらけ」というところへ行ってみたいとリクエストし、渋谷のまんだらけでTRUMPS!の古本を買った。 地元の本屋には出ていない安野モヨコ先生のマンガを手にできた喜びはひとしおだった。

当時発刊していたキューティーコミックはかかさず買い、南Q太先生や、岡崎真里先生、ジョージ朝倉先生にも夢中になった。

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2012年のInstagramの自分の投稿がありました。このフィルターにも時代を感じる。

(ちなみに、ご近所物語→ジェリービーンズときて、そのあとまた矢沢あい先生のパラダイスキスにいく、という流れで服作りマンガとともに時代を生きたアラサーは多いだろう)

だいたいのマンガにエッチなシーンがあり、大人ってすごい。。とびっくりしながらバッファロー5人娘を読んでいた。

その後も花とみつばちを楽しみにしたり、

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5万のパンツを買ったら上は500円のユニクロでいい、そういうことを教わった(5万のパンツ買えない)

シュガシュガルーンを集めたり、働きマンを買った。

alu.jp (このコマ好き)

女性誌だけでなく、青年誌や少女漫画などさまざまな読者に向けて物語を描き続ける安野モヨコ先生にずっと夢中だった。

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美人画報で品を知る

そうして大学生になった私が次に手に取るのは安野モヨコ先生の暮らしのエッセイ、美人画報。

おしゃれとはなんなのか、美しいとはどういうことか、生きていくとはどういうことか。 先生のポリシーや生活に触れられ、それをかんじられる年になった。大学生にはもちろんまったく手の届かない価格帯の洋服やアクセサリーたちを紹介するイラストをみて、ブランドを愛すること、すなわち物語を愛することを教えてもらった。

洋服の仕事をしたいと思ったことはあったけど、まさかマンガの仕事をするとは、思ってもみなかった。

もうシゲタより随分年上になっている

当時のシゲタよりも年上になった。今読み返すハッピーマニアは正直辛くて読むのがキツい。 「シゲタって大人ぶらなくて素直で楽しい人だなー!マッシモ!!!!」とか言っていた13歳の頃には理解できるはずのない、心の苦しみやその中で向き合う自分の心を重ねてしまう。

これが20年前のマンガなのか?! 恋愛について、当時から変わった価値観ももちろんあるけど、かかえる心の辛さは変わらない。

先生が30年マンガを描き続けてきてくれたおかげで確実に今の私がいると断言できる。

いつでもユーモアを大切にして、自分のために生きられるようにもがく作品たちをずっと大切に味わいながら、お礼を言いたい。

たくさんのマンガをありがとうございました!これからも応援しています!